厚い胸板、広い肩幅といった、理想の自分に憧れて筋トレを始めてみたものの、なかなか上手く筋肉がつかずに悩んでしまうことがあります。試行錯誤を繰り返した挙句に疲れてやめてしまうと、結局これまでと何も変わらず、理想の自分とはどんどんかけ離れて行ってしまいます。
そうならないためには、自身の描く理想に必要となる筋肉の部位と、そこを効率よく適切に鍛えることができるトレーニング方法を知ることが必要不可欠です。
腕立て伏せは、男性であれば厚い胸板を、女性であれば美しい胸元をというように、胸部のスタイルアップに非常に効果的なトレーニングです。また、その他の部位にも効果があり、男女関わらず美しい上半身を作り上げるためにおすすめです。理想の体型に近くために、腕立て伏せで具体的にどの筋肉を鍛えるのか、また、目的によって選択できるバリエーションも見て行きましょう。
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腕立て伏せで鍛えられる主な筋肉
具体的なトレーニング方法も大切ですが、腕立て伏せで鍛え上げることができる筋肉はどの部位なのか、また、そこを鍛えることによって得られる結果を知っておくことが先ず重要です。適切なトレーニングを行う第一歩として、これから確認しましょう。
腕立て伏せで鍛えられる筋肉1:大胸筋
大胸筋は胸部の表層にある大きな筋肉です。腕を前に伸ばす際にも使用されます。日常生活においては物を胸で抱きかかえる動作、うつ伏せの状態から手を使用して起き上がる動作で使用されることが多いでしょう。
テニスや野球など、腕を使用するスポーツでの使用頻度が非常に高い部位でもあります。大胸筋は表層部分にある筋肉であるため、胸のシルエットに大きく影響します。そのため、この部位を鍛え上げることにより、男性であれば厚い胸板を得ることができ、女性であればバストアップに繋がります。美しい胸部を形成する際には大胸筋のトレーニングは不可欠と言えるでしょう。
腕立て伏せで鍛えられる筋肉2:三角筋
三角筋は肩の表層部分にある筋肉です。少し盛り上がった部分をイメージすると分かりやすいでしょう。
この部位の筋肉は肩関節の全ての動作に関わる、非常に使用頻度の高い筋肉です。肩関節を守っている部分でもあるため、トレーニングを行う際には痛めないように特に注意しましょう。
三角筋を鍛えることで、肩幅を広く見せることができるようになります。腰部分との対比によって美しい逆三角形の体型を手に入れることが可能です。また、肩こりの解消にも繋がりますので、男女年齢問わず常に鍛えておきたい箇所と言えます。
腕立て伏せで鍛えられる筋肉3:上腕三頭筋
力こぶを作るときに使用するのは上腕二頭筋ですが、上腕三頭筋はその裏側に位置する筋肉です。二の腕にあたる部分になり、筋肉の大きさとしては上腕二頭筋よりも大きくなります。
上腕三頭筋は、ヒジから先を伸ばす動作で使用されます。しかしながら、日常生活においてはあまり力を入れて使用されることが少ない部位となります。
この部位の筋肉を鍛えておかない場合、日常生活での使用頻度の関係から、年齢を重ねるごとに衰えてしまい、二の腕にたるみが生じてしまいます。二の腕のたるみは半袖からでてしまい目立ちやすいため、見た目にも重要な箇所と言えます。この部位を鍛えることにより、腕部の外見上の美しさを整えることができ、鍛え方によってはたくましく太い腕を手に入れることも可能です。
腕立て伏せに共通の注意点
腕立て伏せを行う際には姿勢に注意してください。お尻の位置が下がっても上がっても適切な負荷がかからなくなり、トレーニングの効果が減少します。頭から足までが一本の棒のように真っ直ぐな状態で行うようにしましょう。
基本の腕立て伏せの手順を紹介
腕立て伏せには様々なバリエーションがありますが、先ずは基本のものを確認しましょう。
基本の腕立て伏せであるノーマルプッシュアップは「大胸筋」「上腕三頭筋」をメインとして、「三角筋」にも刺激を与えることができるバランスの良いトレーニングです。
ノーマルプッシュアップのポイントは3つあります。
1つ目のポイントは「胸を張って行う」ことです。
ノーマルプッシュアップを行う際、胸を張ることによって大胸筋へ適切な負荷をかけることができます。逆に、張らずに行なった場合には上手く大胸筋を鍛えることができないので注意してください。胸を張るために、肩甲骨を内側に引き寄せる意識を持って行いましょう。
2つ目のポイントは「ヒジを体の外側に開く」ことです。
ヒジを外側に開くことで大胸筋への負荷をあげることが可能です。反対に、腕をたたむようなかたちで行なってしまうと、ノーマルプッシュアップのターゲットである大胸筋へは適切に負荷をかけることができません。ノーマルプッシュアップを行う際には、ヒジは体の外側へ向けて開くように気をつけましょう。
3つ目のポイントは「頭を下げずになるべく床まで胸を近づける」ことです。
胸を床に限りなく近い位置まで下ろすことで、より効率の良いトレーニングを行うことが可能です。そのために、頭は下へ下げないように注意しましょう。頭が下を向いて下がっている状態では、頭の分だけ余計に床までの距離が近くなり、全体の稼働距離が短くなってしまいます。
結果として負荷を減らすかたちになりますので、効果的なトレーニングのためにも頭は下に向けず、前を見つめて行うようにすると良いでしょう。
ノーマルプッシュアップの手順
- 肩幅より拳二つ分ほど広めに両手をつきます。
- 足を伸ばし、体を一直線にしてゆっくりとヒジを曲げていきましょう。
- ゆっくりと体を起こします。
- 2・3を繰り返してください。
◆回数の目安:10回×3セット
ノーマルプッシュアップでは過剰な関節への負荷による怪我を避けるために、手を自然なハの字に広げるようにしましょう。手首を曲げる方向と、ヒジを曲げる方向を揃えることによって関節への負担を減らすことが可能です。
腕立て伏せのバリエーション9種類を紹介
腕立て伏せには基本であるノーマルプッシュアップの他にバリエーションが9つあります。これからどのようなものがあるのか確認し、自身の目的に合わせて選択しましょう。
腕立て伏せの種類1:ワイドプッシュアップ
ワイドプッシュアップでは、肩幅より1.5倍ほど広い位置に手をつきます。こうすることによって、大胸筋への負荷を上げることができ、より強度の高いトレーニングを行うことが可能となります。
大胸筋への負荷が大きくなる一方で、ワイドプッシュアップでは上腕三頭筋へかかる負荷は下がります。そのため、上腕三頭筋よりも大胸筋へフォーカスしたトレーニングを行いたい場合にはワイドプッシュアップを選択しましょう。
ワイドプッシュアップを行う際には、床に手をついただけの状態で既に大胸筋にしっかりと負荷がかかっていることを確認してから行ってください。大胸筋にフォーカスした腕立て伏せのバリエーションである分、セット位置が適切であることが非常に重要です。
もし手をついた位置で大胸筋に負荷を感じないようであれば、それは適切な位置ではありません。より広くなるように調整して、最適な位置を確認してから行いましょう。
腕立て伏せの種類2:ナロープッシュアップ
ナロープッシュアップでは、ワイドプッシュアップとは逆に両手の幅を肩幅より狭めた状態で行います。
これにより大胸筋への負荷は減少しますが、上腕三頭筋への刺激は増大します。そのため、ナロープッシュアップは上腕三頭筋を集中的に鍛えたい場合に最適となるトレーニング方法です。
ナロープッシュアップを行う際には、手の幅を狭めるだけではなく、脇を閉めて両腕を体の側面に近づけましょう。こうすることで、手幅のみを狭くするよりも大胸筋への負荷を一層減少させ、上腕三頭筋への刺激を強めることができます。ナロープッシュアップはあくまで上腕三頭筋へフォーカスしたトレーニングなので、大胸筋の負荷が減少しても気にする必要はありません。
腕立て伏せの種類3:ジャンププッシュアップ
体を上げていく際に勢いをつけて腕を伸ばし、文字通り上半身をジャンプさせる腕立て伏せが、このジャンププッシュアップになります。
負荷がかかる筋肉の部位は通常の腕立て伏せと同様となりますが、それに加えてジャンププッシュアップは瞬発力を伸ばすことができるプライオメトリクストレーニングとなります。瞬間的な筋力、爆発力が必要な場合にはこのトレーニングで徹底的に鍛え上げることが可能です。
自重を負荷として強度をさらに上げることが可能なため、通常の腕立て伏せよりも難易度は高くなります。また、姿勢を崩してしまうとヒジや肩に極端な負荷がかかってしまい、怪我に繋がる可能性もあるため注意が必要です。
腕立て伏せの種類4:アリゲータープッシュアップ
体を下げていく時に、片方の膝をヒジへ向けて屈曲させるのがアリゲータープッシュアップです。基本のプッシュアップと同様に大胸筋を主として、上腕三頭筋と三角筋にも負荷がかかりますが、それに加えて体幹を鍛えることが可能なのが特徴です。
腕立て伏せのバリエーションとしても強度の高い部類になりますが、一度に上半身のインナーマッスルも鍛えたい場合には更に有効です。
アリゲータープッシュアップを行う場合には、体幹を可能な限り真っ直ぐに保ちながら、膝をヒジにくっつくまで寄せていくことを心がけましょう。また、強度の高いトレーニングなのでつい速度を上げて行なってしまいがちですが、時間をかけて行うことで体幹への負荷も高めることが可能なため、なるべくゆっくりとした動きで行うようにしましょう。
腕立て伏せの種類5:ダイアモンドプッシュアップ
ダイアモンドプッシュアップは、ナロープッシュアップのように肩幅より狭い位置、胸の下のところに手をつき、両手の人差し指と親指を合わせてダイアモンドを形作ります。
一見するとナロープッシュアップに似ていますが、ダイアモンドプッシュアップの方が手幅が狭まり、より上腕三頭筋に負荷をかけることができます。
ダイアモンドプッシュアップはバランスを取るのが難しいので、行う際には腹筋に力を入れて体がブレないようにしてください。体が揺れてしまうと、手首に大きな負荷がかかり痛めてしまう恐れがあります。バランスを取ることが難しいようであれば、基本の腕立て伏せに戻ってトレーニングを行いましょう。
腕立て伏せの種類6:ディクラインプッシュアップ
足を椅子などの上に乗せ、下半身を上半身より高くして行うのがディクラインプッシュアップです。
メインターゲットは大胸筋ですが、同時に上腕三頭筋や三角筋に働きかけます。また、下半身を高くすることで負荷を上げることができるため、より高強度なトレーニングを行うことが可能な点が特徴です。基本の腕立て伏せでは物足りない、もっと効率良くトレーニングを行いたい場合にはこちらを選択するのが良いでしょう。
ディクラインプッシュアップでは特にお尻が落ちて腰が反ってしまいがちですが、この点は要注意です。反った状態で行うと、腰に強い負荷がかかり怪我に繋がってしまいます。頭から足先まで真っ直ぐになるよう常に意識をして、安全にトレーニングしましょう。
腕立て伏せの種類7:インクラインプッシュアップ
椅子や机などを利用し、上半身をより高い位置にセットして行うのがインクラインプッシュアップです。
このバリエーションは基本の腕立て伏せよりも負荷が軽く、安定した姿勢で行うことが用意にできます。そのため、筋トレを始めたばかりの初心者の方や、基本の腕立て伏せでは姿勢を綺麗に保つことができない方などにおすすめです。
インクラインプッシュアップは上半身の高さを変えることで負荷を調整することができる反面、軽すぎる負荷で行なってしまうとトレーニングにならない恐れがあります。ヒジを曲げて体を下ろしていくスピードをなるべくゆっくりにして、その際にしっかりと負荷がかかっているか確認して行いましょう。
腕立て伏せの種類8:リバースプッシュアップ
リバースプッシュアップは、両手で後部のベンチなどを持ち、仰向けの状態でそのまま体を上下させるトレーニングです。
ターゲットとなるのは上腕三頭筋と三角筋です。基本の腕立て伏せに比べてこれらの部位にかかる負荷が増すため、二の腕のシェイプアップや腕周りのバルクアップに適切なトレーニングと言えるでしょう。
リバースプッシュアップはフォームが崩れると手首にかなりの負荷がかかり、怪我に繋がります。トレーニングを行う際にはお尻をベンチになるべく近づけて、体を下に落とす時に垂直になるように気をつけてください。ヒジの角度は90度を目安にしておくと安全にトレーニングができます。
腕立て伏せの種類9:片手腕立て伏せ
片手腕立て伏せは、文字通り片手のみを床につけて行いますが、慣れないうちは足を大きく開いて体を安定させながら行うことが必要です。
片手で行うことにより、非常に強い負荷が大胸筋、三角筋、上腕三頭筋にかかります。比率で考えると大胸筋への負荷は下がっていますが、かかる負荷そのものが強大なため、しっかりと鍛えることが可能です。また、三角筋への負荷が両腕で行う腕立て伏せよりも効率良くかかるため、フォーカスポイントを三角筋とする場合にも適しています。
しかしながら、片手腕立て伏せは高負荷である分、その難易度も非常に高くなっています。通常のトレーニングが十分に行えるほどの筋力をつけてから挑戦すると良いでしょう。また、手首にかかる負荷も大きなものになるため、怪我を防ぐためにもトレーニングを行う前には入念なストレッチが必要です。
片手腕立て伏せができるようになってきたら、足幅を徐々に狭めていってみると良いでしょう。そうすることで体のバランスを保とうとして、体幹も大きな負荷で鍛えられます。片手腕立て伏せは非常に難易度が高いバリエーションです。無理を感じたらすぐに中止して、他のトレーニングを選択しましょう。
腕立て伏せの種類を表で比較
腕立て伏せには基本以外に、筋トレの初心者向けのものから非常に高負荷なものまで豊富なバリエーションがありました。どのようなトレーニングがあったのか、ここでまとめてみましょう。
主に使う筋肉 | 特徴 | |
ノーマルプッシュアップ | 大胸筋・上腕三頭筋 | バランス良く負荷をかけられる |
ワイドプッシュアップ | 大胸筋 | 大胸筋へ高負荷をかけられる |
ナロープッシュアップ | 上腕三頭筋 | 上腕三頭筋へ負荷を集中させられる |
ジャンププッシュアップ | 大胸筋・上腕三頭筋 | 筋肉の瞬発力を上げられる |
アリゲータープッシュアップ | 大胸筋・上腕三頭筋・三角筋 | 高負荷であり、体幹も鍛えることができる |
ダイアモンドプッシュアップ | 大胸筋・上腕三頭筋 | 非常に高負荷なトレーニングができる |
ディクラインプッシュアップ | 大胸筋・上腕三頭筋・三角筋 | 高負荷・自分で負荷を調整ができる |
インクラインプッシュアップ | 大胸筋・上腕三頭筋 | 低負荷・自分で負荷の調節ができる |
リバースプッシュアップ | 上腕三頭筋・三角筋 | 上腕三頭筋・三角筋に高負荷をかけられる |
片手腕立て伏せ | 大胸筋・上腕三頭筋・三角筋 | 非常に高負荷で高効率なトレーニングができる |
まとめ
理想の体型を手に入れるために上半身を鍛えたいと考えた時、腕立て伏せはトレーニングとして最良の選択となります。しかし、がむしゃらにとにかく回数をこなしても意味をなしません。
胸部のシルエットにこだわるなら「大胸筋」、逆三角形を目指すなら「三角筋」、たくましい・美しい二の腕を手に入れたいなら「上腕三頭筋」というように、目的に合わせて適切なトレーニングを選択する必要があります。
腕立て伏せは決して難易度の高いものばかりではありません。インクランプッシュアップのように、筋トレ初心者であっても自身のレベルにあわせて簡単に行えるものもありました。理想の体型は思い描いているだけでは手に入りません。一歩踏み出す勇気を持って、今日からスタートしてみましょう。
トレーニングを行う際には、現在のレベルや目標から適切なトレーニングメニューを考える必要がありますが、これには専門的な知識が必要不可欠です。最短距離での目標達成のために、自身で試行錯誤を繰り返すのではなく、まずは専門家であるパーソナルトレーナーに相談してみると良いでしょう。安全で高効率なトレーニングが可能となり、最短距離での目標到達ができます。
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